京釡線
金烏山回り旧線
25万分1
旧線の金泉−若木間は現在の国道4号線になっている。
旧線時代のの地形図に青で現在線を補入 大正4年測図 5万分1地形図(国会図書館蔵) 上:金泉付近 下:若木付近
若木−金泉 1992年8月
京釜線改良工事のなかで最も大規模だったのはこの区間である。現在の金烏山の北を通る35.8kmの亀尾駅経由の線路に列車が移った1916(大正5)年11月以前の旧線は金烏山の南を
廻り距離こそは25.9kmとかなり短いがその分勾配はきつかった。現在線が若木駅を過ぎ亀尾駅に向って右に進路を変えるところが旧線との分岐点であった。旧線は今はその上に敷かれた国道に殆どの区間が隠されてしまっている。ただこの区間唯一の途中駅であった金烏山駅が置かれていた扶桑洞の集落の辺りだけは、その国道の改良が旧道を使って行なわれたために旧京釜線跡が国道の下に埋まることだけは避けられた。それ故この区間唯一のトンネル、扶桑隧道(370m)がここに残されていたのである。確認できたのはその若木駅側入口だけだったが、76年も前に廃線となったトンネルである、よくも残っていてくれたものだ。しかし此の辺りにあったはずの金烏山駅の跡形は何も見付けることが出来なかった。