Victoria Sta.
ヴィクトリア駅
1860年、運河の跡を利用してロンドンのウエストエンドにビクトリア駅が誕生した。この駅は、鉄道会社によって運営されたのではなく独立の停車場会社によって運営されていた。使用した鉄道会社は、ロンドン・ブライトン・アンド・サウスコースト(London
Brightong & South Coast)鉄道とロンドン・チャッタム・アンド・ドーバー(London Chatam & Dover)鉄道であり、両社の領域の間には壁が隔たり二つの別の駅が並んでいるかのようであった。1923年にはこの二つの鉄道と停車場会社が統合されてサザン(Southern)鉄道となった。
LCDRはチャーリングクロス駅からのサウスイースタン(Southeastern)鉄道と競って大陸連絡のドーバーへの列車を走らせた。1899年の両社の協定をとおして第一次大戦以降は、ドーバー行きはここビクトリア駅から出発するように統合され、プルマン客車で編成された「ゴールデン・アロー」号はここからドーバーを結ぶ豪華列車で有名であった。
LBSCRが目指すブライトンは海辺の高級リゾート地で、LCDRに比べて上流階級の人々が乗り降りしていたと言われている。そのブライトンには、プルマン編成の「サザン・ベル(南部の美女)」という特急が運転されており、1934年からは電化にともなって、「ブライトン・ベル」と列車名を変えてプルマン電車特急となった。