万国寝台車会社（ワゴンリ社）の看板列車であるオリエント急行 - エクスプレス･ドリアン　(Express d'Orient) は1883年運転を開始した。パリの東駅を発車し、ドイツ、オーストリアを走りルーマニアに入りドナウ川岸のジュルジウ(Giurgiu)までの豪華客車による旅であった。ここからブルガリアに小船で渡り旧式の客車でヴァルナ、黒海を船でコンスタンチノープルに到着する経路であった。1889年にはバルカン連絡鉄道が全通して、パリ−イスタンブール間の直通運転が始まった。1919年にはスイスのシンプロン隧道が完成して、シンプロン・オリエント急行(Shimplon Orient Express)の運転が始まり、パリ、カレー、オステンド、ベルリンからイスタンブール行き豪華急行列車が発車するようになった。