Portage Railroad
ポーテジ鉄道
運河と運河をつなぐ船運鉄道
1825年のエリー湖とハドソン川を結ぶエリー運河開通を受けて、ペンシルベニア州では フィラデルフィア と ピッツバーグ を運河と鉄道で結ぶMain Line（メイン・ライン）の建設を進め、1834年に開通させた。途中の アレゲニー山地 (Allegheny Mountain)越えでは、ジョンズタウン(Johnstown)とホリデイズバーグ(Hollidaysburg)の間の36マイルの区間で ポーテージ鉄道(Portage Railroad) という鉄道によって、西の運河と東の運河が結ばれていた。フィラデルフィアとピッツバーグ間の当時の所要時間は4日間であった。
アレゲニー山地区間のポーテージ鉄道は、途中に１０箇所のインクラインがあり、その区間は地上の蒸気機関で車両を引き上げる方式で運転されていた。後に連結型の船が開発され、分割した船ごと台車にのってこの区間を走れるようになった。しかし、1854年にペンシルバニア鉄道がハリスバーグとピッツバーグの間を開通させるとメインラインは競争力を失って衰退をはじめ、1857年にはポーテージ鉄道は廃止となった。
現在でも、ポーテージ鉄道の１０箇所のインクラインのうち、６番目のインクラインと頂上付近のエンジンルーム、付近のトンネルや跨線橋が残されている。米国で最初の鉄道トンネルである ステープル・ベンド・トンネル(Staple Bend Tunnel) もこの区間に残っている。
