Great Northern in Minnesota

グレートノーザン鉄道
1856年、ミネソタ・パシフィック鉄道(Minnesota & Pacific)は設立され、1862年にはセントポール・パシフィック(St.Paul & Pacific)鉄道となり、同年6月28日、セントポール - セントアンソニー(St.Anthony = Minneapolis)間に一番列車を走らせている。次にセントポール - セントアンソニー - アノカ(Anoka,MN)間の既設区間をセントポールパシフィック第一部門(First Division St.Paul & Pacific)鉄道会社に譲渡し、残りの部分はセントポールパシフィック鉄道で権利を保有した。1870年には第一部門会社はセントポール - スーラピッド(Sauk Rapid,MN)、1871年にはセントアンソニー - ブレッケンリッジ(Breckenridge,MN)を開通させている。またこの頃、1870年にはノーザンパシフィック鉄道がこのセントポールパシフィック第一部門鉄道会社を買収したが運営は別個に行われ、引き続き第一部門会社の運営が続いた。1871年には第一部門会社はセントポールパシフィック鉄道会社から、その権利保有線セントビンセント(St.Vincent, MN)延長線とブレイナード(Brainerd, MN)延長線をリースした。セントビンセントへは1879年完成したが、ノーザンパシフィック鉄道連絡の目的であったブレイナードへの路線は、このノーザンパシフィック鉄道の1873年の倒産、第一部門会社の分割の影響で建設されず、後年ノーザンパシフィック鉄道によって建設されている。
1879年の同じ年、会社名はセントポール・ミネアポリス・マニトバ鉄道(St.Paul, Minneapolis & Manitoba Railway)と改称され、同時にレッドリバー・マニトバ鉄道(Red River & Manitoba Railroad)とレッドリバー渓谷鉄道(Red River Valley Railroad)を買収して延長530.35メイルの鉄道となった。
マニトバ鉄道とは別に1856年に組織されたミネアポリス・セントクラウド鉄道(Minneapolis & St.Cloud Railroad)があり、あまり建設も進まないまま1881年ジェームス・ヒル(James J. Hill)と云う男に買い取られた。この男ヒルこそは後のグレートノーザン鉄道の社長、大北帝国の建設者(Builder of Great Northern Empire)である。この鉄道会社はミネアポリス・ノースウエスタン鉄道(Menneapolis & North Wester Railroad)と合意して、1882年の暮れまでに、ミネアポリス - セントクラウド - ヒンクリー(Hinckley, MN)を開通させている。1883年にはマニトバ鉄道によって吸収された。
ノースダコタ州では南北のマニトバ鉄道、東西のノーザンパシフィック鉄道と云う関係となり、協調関係が保たれ、ミネソタ州では1880年にスーラピッド - ミネアポリス間のマニトバ鉄道線上をノーザンパシフィック鉄道列車が運転する合意も行われている。しかし、1880年代後半にはマニトバ鉄道はノーザンパシフィック鉄道と並行する路線を次々と建設し始めた。ノースダコタ州を西に、そしてモンタナ州へ路線を延ばし、1893年にはシアトルまでの大陸横断線が全通した。ノーザンパシフィック鉄道とのライバル関係が決定的となった。
また、本拠地ミネソタ州では、ヒルの作った新しいミネソタ・イースタン鉄道(Eastern Railway of Minnesota)がドゥルース(Duluth, MN)とミネアポリスを結ぶ路線を完成させ、買収されたドゥルース・ウィニペグ鉄道(Dluth & Winnipeg Railroad)とドゥルース・ミシシッピリバー・ノーザン鉄道(Duluth, Mississippi & Northern Railroad)の路線網は、ミネソタ州北部のメサビ鉄鉱山地帯に広がっていた。南部ではウィルマー・スーフォールズ鉄道(Willmar & Sioux Falls Railway)の買収で、ミネソタ州における路線網がほぼできあがった。1890年にはマニトバ鉄道はグレートノーザン鉄道(Great Northern Railway)となった。