「オリエンタル急行(Oriental Limited)」はグレートノーザン鉄道の歴史的な優等列車で、1905年からフラッグシップとして君臨してきたが、1929年新製車両を用いて新しい第一急行が誕生した。名称はその鉄道会社の創立者「ジェームス・ヒル(James
J. Hill)」自身のことを示す「エンパイヤービルダー(Empire Builder)」と名づけられた。この列車の誕生とともに開通したワシントン州の新キャスケードトンネル(7.79mile)と「エンパイヤービルダー」はグレートノーザン鉄道の新しい時代を象徴するものであった。そして、第二急行となった「オリエンタル急行」は、1931年終焉を迎えることとなった。
「エンパイヤービルダー」は1947年流線型編成となり、シアトル-シカゴ間の所要時間は45時間であった。1951年には新設された第二急行の「ウエスタンスター(Western
Star)」に車両を譲り、自らは新製車両に置き換えられ、1955年には展望ドームつきの車両が導入されて最盛期を迎えることとなった。グレートノーザン鉄道の起点セントポール(St.Paul,MN)からシカゴへはバーリントン鉄道を使用していたが、1960年代になるとライバルの「ノースコースト急行」と併結運転となっていた。1971年にはアムトラックによる運転となり、シカゴへはライバルのミルオーキー鉄道(Chicago
Milwaukee St.Paul & Pacific)経由に変わった。