キング街駅 King Street Station
1893年にシアトルに到達したグレートノーザン鉄道は、その終点の駅をマリオン街の付根(Foot
of Marion Street)に設けていた。その場所はビジネス街の高台が海岸線に迫る狭い海岸沿い土地で、大きな駅を建設することなどできない場所であった。また、1887年に開通したシアトル湖岸東部鉄道(Seattle
Lake Shore & Eastern Railroad)を買収してシアトルへ乗り入れたノーザンパシフィック鉄道はグレートノーザン駅の一区画南のコロンビア街(Columbia
Street)に駅を設けていた。
1902年からグレートノーザン鉄道とノーザンパシフィック鉄道はシアトル市のビシネス街の真下を貫くトンネルの工事に着手し、その出口にキング街駅(King
Street Depot)を建設して、1906年に協同使用を開始した。(トンネルは従来の駅の北側、バージニア街(Virginia Street)よりジャクソン街(Jackson
Street)に至る。)
キング街駅からはグレートノーザン鉄道とノーザンパシフィック鉄道の大陸横断急行シカゴ行きがそれぞれ発着し、北へはグレートノーザン鉄道がカナダのバンクーバー(Vancouver,BC)へ、南にはサザンパシフィック(Southern
Pacific) 鉄道直通サンフランシスコ(San Francisco,CA)方面行き列車をGN,NPともに運転していた。後にアムトラックもキング街駅を受け継いで現在もシアトルの鉄道駅として活躍している。