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ワシントン州の鉄道
 Railroads in Washington
 
 
 
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1900年の初代キャスケード隧道(2.6マイル)の開通で、長い間グレートノーザン鉄道の輸送のネックとなっていたスティブンス峠のスイッチバックが解消された。1909年にはこの隧道区間の電化が完成し、同じ年、最後の北部大陸横断鉄道のミルウォーキー鉄道がシアトル・タコマに到達した。
同鉄道がワシントン・アイダホ・モンタナに保有する650マイルの電化区間は、当時世界最長であった。1929年にはグレートノーザン鉄道がやはり世界最長の新キャスケード隧道(7.79マイル)を完成させている。
 ポートランド系列では、ノーザンパシフィック鉄道との連携終了のあと、オレゴン鉄道海運がユニオンパシフィック鉄道の傘下に入り、1883年に開通したオレゴン短絡線(Oregon Short Line)を介して、アイダホの州都ボイシー経由で、ユニオンパシフィック本線に連絡する新たな大陸横断ルートを拓いた。また、歴史的なワルーラ接続点から北に進んで、オレゴン鉄道海運・ミルウォーキー鉄道・スポーケン国際鉄道の連絡運輸がスポーケンで確立された。スーライン・カナディアンパシフィック・スポーケン国際経由でセントポールからの客車を受け取り、そしてミルウォーキー鉄道の客車をポートランドに運んでいた時代もある。
 繁栄から半世紀、20世紀の終わりの現在、シアトル-スポーケン間にあった3社3路線のうち、安泰に鉄道輸送を続けてきたのは、わずかに1路線、グレートノーザン経路だけであった。この経路で現在もアムトラックのエムパイヤービルダーが走っている。ノーザンパシフィック経路は、バーリントン・ノーザン(Burlington Northern Inc.)発足後の1983年、スタンピード隧道が廃止され、前後の区間は売却された。しかし、1996年暮れ、キャスケード隧道の限られた輸送量を補うために修復・買い戻しが行われて運転が再開されたと聞いた。ミルウォーキー鉄道は、1961年の太平洋線旅客列車の廃止と、アムトラック移管後の会社倒産で、ミネソタ以東の一部の区間が別会社によって運転されているのを除いてはすべて廃止されている。
ポートランド系列では、北岸・南岸ルートとも健在で、両方の路線でアムトラックの運転があった。しかし1997年、南岸経由のパイオニアー(Pioneer シカゴ-シアトル)の運転が廃止され、北岸ルートの残る、エムパイヤービルダー(Empire Builder, シカゴ-ポートランド)だけが走っている。
Seattle
Everett
Bellingham
Snohomish
Wenatchee
Tacoma
Yakima
Walla Walla
Wallula Jct
Ellensburg
Palmer cut-off
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Cascade tunnel
Spokane
Oregon Railway & Navigation
Spokane Portland & Seattle RR
Sumas
ワシントン州
OR
ID
北米大陸
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ワシントン州で最初の鉄道は、カラマ(Kalama)から建設され、1873年タコマに到達したノーザンパシフィック鉄道である。カラマはコロンビア川に面し、建設資材の陸揚げのための拠点であった。しかし、大陸横断線の開通には、資金繰りとインディアンとの対決のために、あと10年を要するのであった。また、ポートランドからコロンビア川を遡って行ったオレゴン鉄道海運(Oregon Railway & Navigation)は、ノーザンパシフィック鉄道と提携して大陸横断線の一部となることを決めた。ついにNPは1883年モンタナ州での「最後の犬釘」で東西連絡を果たし、ダルース(Duluth,MN)からポートランド(Portland,OR)への本線と、ミネアポリス・セントポール(Minneapolis/St.Paul.MN)とタコマ(Tacoma,WA)への支線からなる大陸横断鉄道となった。OR&Nとの連絡場所はワルーラ接続点 (Walulla Junction,WA)であったが、4年後の1887年、NPはキャスケード山脈越え(Stamped tunnel はその翌年)の自社路線を完成しタコマへ直結した。
そのまた6年後1893年には、グレートノーザン鉄道がスティーブンス峠を越えて、太平洋岸エヴェレット(Everet,WA)に到達し、傘下に組み込んだシアトル・モンタナ鉄道(Seattle Montana Railway)を使ってシアトルに乗り入れた。一方、タコマを起点としたノーザンパシフィック鉄道は、シアトル湖岸東部鉄道(Seattle Lake Shore & Eastern Railway)を吸収してシアトル乗り入れを果たした。また1886年、英領カナダで大陸横断鉄道を完成した、カナディアンパシフィック鉄道は、NPのシアトル湖岸東部鉄道に乗り入れることによって、バンクーバーだけでなくシアトルへも乗り入れ、1900年台初めまでセントポール-シアトル間直通客車を連結していた。
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