コロラド州はロッキー山脈を中心に州都 デンバー でさえも標高1600mの高地である。東部からは5つの鉄道会社の6つの本線 (カンサス州から4線(RI,UP,MP,SF)、ネブラスカ州
から2線(UP,CBQ)) が乗り入れていた。これらの鉄道のうち、西へ更に進んだのは北周りの ユニオンパシフィック(UP) と南回りの サンタフェ
(AT&SF) の2社路線だけであった。そして、デンバー を基点として南へ エルパソ (El Pso, TX) を目指し、更に西を目指した デンバー・リオグランデ鉄道
(Denver & Rio Grande Railroad) はロッキー山脈へ挑み、プエブロ (Pueblo, CO) から西へ ロイヤル・ゴーシュ (Royal Gorge) の峡谷を抜けて、ガニソン
(Gunnison, CO) を経由してオグデン (Ogden, UT) までの狭軌路線を1883年までに完成させた。
しかし、標準軌で建設を始めた コロラド・ミッドランド鉄道
(Colorado Midland Railway) がライバルとして登場し、デンバー・リオグランデ鉄道も、サリダ (Salida, CO) から レッドビル (Leadville, CO)
を経由し グレンウッド (Glenwood, CO) までの新線と、前後の狭軌線を改軌して標準軌の鉄道を開通させた。競合する両社は グレンウッド から
グランド・ジャンクション (Grand Junction, CO) までを互いに利用し、そこから ソルトレーク・シティーまで大陸横断列車を仲良く運行していた。しかし、コロラド・ミッドランド鉄道は経営難により、1918年廃止され、ソルトレーク・シティー
へは再び デンバーリオグランデ鉄道だけとなった。1927年には デンバー からより直接ロッキーを越えるルートである モーファット隧道 が完成し、有名なカリフォルニア・ゼファー号がこのルートを走るようになった。