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満州主部と朝鮮北部の連絡
<京図線>
京図線は満州国の首都新京より、わが朝鮮雄基・羅津・清津各港へ最捷経路をなすもので、更に北鮮各港よりは裏日本敦賀新潟伏木各港へそれぞれ直航連絡があり、実に東京・大阪・名古屋の大都市より北満各地への最短コースを形成し、加ふるに図佳線拉賓線の活用により国防上・経済上あらゆる角度よりその重要性は日に加わり、利用者激増のため、近く羅津新京間直通時速100粁の高速ディーゼル列車運転が実現されることとなっている。
まず新京より列車は特別市域内の東北辺へ廻り東新京駅を経、広漠とした沃野に進み、小市街の開ける<上下>倫をとおり、やがて飲馬河を渡って下九台に着く。
飲馬河は松花江の一支流で、その流域一帯は雁・鴨の群生があり、新京より猟ファンの来遊が多く、下九台は大豆・雑穀の集散市場で、その発送はなはだ盛んである。また飲馬河と下九台の間で柳條辺牆の過ぎれる跡を楊柳の叢生で認められる。
次の営城子は漸く山岳起伏の地で、付近には火石嶺・馬家溝の炭鉱があり、その石炭発送がある。
列車は次第に山線となる。沿線には杏花・鈴蘭などの花咲き、珍しく和やかな風景で旅情を慰められる。程なく土們嶺隧道を潜り、樺皮廠は昔樺を用いて弓箭・馬鞍を製造したところ、今は穀類の集散地で市街は駅から遡航穀類の集積地たる九站を経て愈々吉林駅に着く。
吉林は東経126度53分、北緯43度47分S字型に流れる松花江の左岸に展開する大都市で人口およそ16万、市街は大別して商埠地と城内に分かれ巨商老舗軒を並べている。主要の産業は吉林材の一台集散でその他葉たばこ・麻・毛皮類の取引が多く。官衙・公署も集まり、江南公園、松花江の舟遊などなど視察旁旁探勝遊覧の名所散在し、山水明媚「満州の京都」と称せられている・またホテル・旅館完備、いわゆる吉林美人を宴席に侍し、久方の旅塵を払うも佳い。
 
旅窓に学ぶ 西日本編 
ダイヤモンド社
昭和13年8月発行
 
より引用
 
 吉林をでて直ちに松花江の鉄橋を渡る延長443米、橋梁の両側に人道が設けられて、一般の交通に便となっているのは満州式である。これより山嶺つづきの展望秀れたところが多く各駅に木材の集積を見てゆく。
六道河駅はその間の要駅で、ここで一隧道を潜り、ついで車窓は寂漠とした老爺嶺の山間となる。
列車は延長1820米の長隧道を潜り、漸く下って小平地にでて拉賓線の接続駅拉法に入る。付近は新鮮開通以来俄かに新興気分が漲り、将来の発展を期待されているところ、ついで拉法河、蛟河など水流の集まるこの盆地の古邑蛟河駅を通る。ここは農産物と木材の集散市場で、南方に良質の石炭を産する 子炭鉱がある。
線路はこの付近から密林地帯に入る。林相頗る深く車窓は殆ど見通しが利かない。樹種は落葉松を主として針葉樹が多く、林間の2・3駅では枕木その他木材の発送が多い。この森林のうちに太沙河威虎嶺などお隧道を潜る。森林地帯を抜け出て牡丹江上流の河谷にはいり、しばらくはその湿地が続く。やがて秋梨溝駅を通ると線路は著しく登りとなり、海抜1846フィートの高原太平嶺を越えて、漸く敦化駅に着く。
 
 
京図線2
北鮮・浦塩航路
北鮮急航航路
延吉
新京
吉林
敦化
朝陽川
図們
北鮮線
つづき
吉林
朝鮮鉄道略図
朝鮮北部・浦塩経由
欧亜連絡
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吉林 松花江橋梁
(2017年10月訪問)
 
新站
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京図線
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